松本の実家、解体してから売るべき?──急いで壊さないほうがいい理由

松本にある実家。だれも住まなくなって、そろそろどうにかしないと、と思い始めたとき。多くの人が最初に考えるのが「売る」ことだと思います。

で、たいてい次に出てくるのが「古い家だし、壊して更地にしてから売ったほうがいいんじゃないか」という発想。私もそう思っていました。きれいさっぱり更地にしたほうが、買い手も見つかりやすいだろう、と。

でも、調べていくうちに、ちょっと考えが変わりました。

結論から書くと、急いで解体しないほうがいい場合があります。解体してから売るのが正解とはかぎらないんです。理由は、おもに固定資産税と、解体費用と、買い手のニーズ。この3つが絡んでくるからです。

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「更地にしたほうが売れる」は、半分ほんとで半分ちがう

更地にしてから売る、つまり建物を解体して土地だけの状態にして売り出す方法には、たしかにメリットがあります。買い手からすると、解体の手間も費用もかからず、買ったらすぐに新しい家を建て始められる。だから買い手がつきやすい、という話はよく言われます。

あと、これは私も知らなかったのですが、古い建物を残したまま売ると、あとから「壁の中がこうなっていた」「雨漏りがあった」といった建物の不具合をめぐって、売った側が責任を問われることがあるそうです。更地にしてしまえば、そういう建物にまつわるトラブルの種がなくなる、というのも更地派の言い分です。

ここまで読むと「じゃあ更地のほうがいいじゃない」と思いますよね。私もそう思いました。問題は、その逆側にもけっこう大きな話があることです。

更地にした瞬間、固定資産税が一気に上がる

いちばん引っかかったのが、これでした。

住宅が建っている土地には「住宅用地の特例」というしくみがあって、固定資産税の計算のもとになる金額が大きく軽くなっています。松本市の場合も、200平方メートルまでの部分は評価額の6分の1、それを超える部分は3分の1まで下げてもらえる、と松本市の資料に書かれています(松本市資産税課のページより。2026年5月時点)。

つまり、家が建っていることで、土地の税金がぐっと抑えられているわけです。

ところが、その家を壊して更地にすると、この特例の対象から外れます。家がなくなった土地は「住宅用地」ではなくなるからです。結果、これまで6分の1だった部分の負担のもとが、本来の評価額に戻っていく。建物がなくなったのに税金は上がる、という、ちょっと不思議なことが起きます。

固定資産税の判定は、毎年1月1日時点の状態で決まると言われています。なので「年明けすぐに壊したのに、その年いっぱい更地のまま売れ残った」となると、上がった税金を一年ぶん払い続けることになりかねません。けっこう怖い話だなと思いました。

具体的にいくら変わるかは、土地の広さや評価額によってまったく違うので、ここでは数字を断言できません。気になる場合は、毎年春に届く納税通知書を見るか、松本市の資産税課(電話 0263-33-4398)に聞いてみるのが確実です。

そして、解体費用は先に出ていく

もうひとつ忘れがちなのが、解体にはまとまったお金がかかる、ということ。当たり前なのですが、売る前に壊すとなると、その費用は売れる前に自分の財布から出ていきます。

「売れたお金で解体費を払えばいい」と思っていても、順番としては解体が先、入金はあと。しかも、思ったより高いことも、逆に売れるまで時間がかかってその間ずっと更地の税金がかさむことも、どちらもありえます。

解体費用の相場や、松本市の補助金については別の記事にまとめています。先に壊すと決める前に、こちらも見ておいてもらえたらと思います。

👉 松本市の空き家解体補助金まとめ──最大50万円、対象条件と申請の流れ(解体費用の目安も書いています)

古い家のまま売れることも、ふつうにある

意外だったのが、古い家は古い家のままでも売れる、という点です。

「古家付き土地」という売り方があって、建物を残したまま、現状そのままの姿で売り出す。買った人が、自分で解体するなり、リフォームして住むなり、好きにする、という形です。最近は古い家をあえて選んでリノベーションしたい人もいるので、立地や建物の状態によっては、壊さないほうがかえって買い手の幅が広がることもあるそうです。

松本のように、城下町の雰囲気が残っていたり、北アルプスの見える場所だったりすると、土地そのものに惹かれる人もいます。「古いから即・解体」と決めてしまうのは、もったいない場合もあるんですね。

じゃあ、どう判断したらいいのか

正直に書くと、私もここはまだ自分の中で答えが出ていません。実家のことを考えるたびに、壊すべきか残すべきか、行ったり来たりしています。

ただ、いろいろ読んでいて「これは順番として大事だな」と思ったのは、壊すかどうかを決める前に、まず「今のこの家、このまま売ったらいくらになるのか」を知っておくこと。

建物を残したまま売れそうなのか、それとも更地にしないと厳しいのか。それは結局、土地の値段と、解体費用と、買い手がつきそうかどうかのバランスで決まります。そして、そのあたりは素人がいくら悩んでも見当がつかない。プロに今の値段を聞いてみるのが、いちばん早い気がします。

解体してしまうと、もう後戻りはできません。先に値段を知ってから、壊すか残すかを考える。この順番だけは、間違えないほうがよさそうです。

次に動くなら

もし「うちの実家、今いくらくらいなんだろう」が気になり始めたら、不動産の一括査定で、複数の会社にまとめて値段を出してもらう方法があります。一社だけだと高いのか安いのか分からないので、いくつか見比べられるのは安心材料になります。(具体的なサービスの紹介は、準備でき次第このあたりに足していく予定です)

それと、売る・壊す以前に「そもそも誰に相談したらいいのか分からない」という段階の方は、こちらから読んでみてください。

👉 松本の実家、誰に相談したらいいかわからない人へ──最初の窓口の選び方

慌てて壊さなくて大丈夫です。順番を間違えなければ、選べる道はちゃんと残っています。

参照

  • 松本市「固定資産税とは」「土地の税額算出方法と税負担の調整措置について」(松本市資産税課、2026年5月時点で確認)
  • 総務省「固定資産税制度について」(住宅用地特例の内容)

※この記事は一般的な情報をまとめたものです。固定資産税の具体的な金額や、売却・解体の税務上の取り扱いについては、松本市役所の資産税課や、税理士・不動産会社など専門家にご確認ください。制度は変わることがあります。

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